院長の変形性膝関節症との闘い
院長の変形性膝関節症との闘い
今から5年ほど前、趣味と健康を兼ねて楽しんでいた剣道で膝を傷めてしまいました。
以後なかなか治らず、とうとう変形性膝関節症に移行してしまい生活全体が不自由になり大変な思いをして来ました。
しかし、2024年9月に巽一郎先生の「100年足腰」という本に出合ってその本に書かれていた事を行った結果今では軽くではありますがジョギングも出来る様になり剣道の稽古も再開する事が出来ました。
まだ多少の違和感もあり100%のコンディションでは有りませんがそれでも、今までの事を考えると夢の様です。
鍼灸師としてお恥ずかしいのですが殆ど諦めておりましたので。
そこで、この5年間の変形性膝関節症との闘いを少しこの場をお借りて記して置きたいと思います。
先ず変形性膝関節症について簡単にご説明させて頂くと。
変形性膝関節症は軟骨の摩耗、骨棘の形成、関節の可動域制限等が起こる疾患で、軟骨の摩耗に代表される退行性変化と、骨棘の形成に代表される増殖性変化が特徴です。
また、関節に関節液が溜まるケースもあります。
つまり膝の軟骨がすり減る事により軟骨というクッションを無くし関節の上下の骨同士が擦れて微小骨折を起こしている状態が痛みの原因だったのです。
また私の様に剣道の稽古などの外傷が原因で発症する関節症の場合と原因が認められない関節症に分ける事が出来ます。
一般的に肥満とかO脚の人がなり易く肥満は膝に余分な体重負荷がかかる為、O脚は関節軟骨の摩耗を促進する為ではないかと考えられております。
体重の負荷がかかる関節は、どの関節も変形し易いですが特に膝は最も負荷がかかる関節なので、長期間の日々の生活の中で退行性変化を起こし易いのです。
運動時痛が主体で歩行の開始時、階段の上り下り、特に階段の下りの時、長時間の歩行で痛みが生じます。基本的に片側性ですが両側性の場合もあります。
また、年齢を問わず発症し老化編成をベースとして起こる疾患なので圧倒的に中高年方達に多い様です。
特に中高年の女性の発症率が高いです。高齢化社会の影響で変形性膝関節症は増加の一途をたどっております。
私もそうですが患者の大半はО脚がひどくなり、歩行時に膝を完全に伸ばす事が出来なくなります。
変性の進行によって、膝の周囲の組織が癒着し筋肉も硬直化して膝の完全伸展が出来なくなります。
そして膝の進展が制限される為、立位の間、膝をやや屈曲して立っているので筋疲労が激しく長時間の歩行も困難になって来ます。
これはスクワットをしながら歩いている様な感じです。
その為、歩くのが辛く運動量が減り消費カロリーが減るので肥満になり易く代謝も悪くなるので膝や足首の周囲がむくむ傾向があります。
変形性膝関節症の場合ある程度長い期間を経ているので股関節や足首の影響も有るので腰から下全体の筋力低下及び筋の過緊張を解決しなくてはなりません。
という事で膝を傷めてからいろいろ試行錯誤して自分なりに自分で鍼治療をしてきました。
治療後は若干では有りますが楽になりますがまた直ぐに痛みが復活して来ます。
鍼ではダメなのかと恥ずかしい話ですが他の治療を受けますが殆ど効果は有りませんでした。
今にして思えば微小骨折とはいえ骨折ですから。
骨折は鍼やその他の手技療法で治る訳は有りません。
先ず微小骨折を何とかしなければならないのです。
鍼では変形性膝関節症は治らないのならと治せるものを治そうと治療院の名前も「腰痛専門 並木治療院」と変えてしまうくらい絶望的な気分になりました。
まさに自分の無力を思い知らされた5年間で有りました。
そんなある日、書店で「100年足腰」という本に出会いその日に隅から隅まで読み次の日から実践してみました。
本に書かれていたのは
① 膝ブラブラ体操で関節の中の関節液を平均的にし上下の骨同士の接触が起こらない様にする。
② 内また歩きで接触している内側の太腿骨端と内側の脛骨端に隙間が出来て骨同士が擦れなくなる。
③ 正しい姿勢で歩く事で身体への余分な負担を減らす。
④ 体重を減らす事で関節への負担を減らす等。
これらの事を一定期間行う事で膝軟骨の再生を促すとの事です。
詳しい事は「100年足腰」を一読して頂ければと思います。
私はここに書かれている全てを実行した訳では有りませんが
一ヶ月もするとかなり膝の痛みが改善して来ました。
それからは時間が有れば膝ブラブラ体操を行い、そして内ももに意識を置き歩く事を徹底しました。
これが微小骨折の回復に寄与したのは間違え有りません。
あれから半年徐々にでは有りますがジョギングも3キロ走れる様になり趣味の剣道も再会出来ました。
この5年間を振り返ると鍼灸をはじめとする手技療法の出来る事出来ない事が遅まきながら分かって来た様に思います。
そして痛みは身体から発する警報で有る事も実感しました。
そして、何より身体の再生力に改めて驚くと共に巽先生の著書に出合った事の幸運に感謝せずにはおれません。
変形性膝関節症に悩んでいる方も大勢居られると思います。
一読される事をおすすめします。